i-ha’s light conversation

AMV/MAD、動画編集がメイン。アニメ、マンガ、小説等の感想もたまに呟きます。

日本のアニメは、いつか海外に負ける(動画の世界⑥ OVERSEA)

娯楽コンテンツであるアニメーションは、特に低年齢層向けのアニメーションは、

無料で視聴出来るべきであると言うのが私の意見でありますが、そんな簡単に出来る事でないとも思っております。

そこで完全無料視聴の代替品としても、私はMADには一定の必要性があるのではないかと思うのです。
MADを見て本編に興味を持ち、DVDやグッズ、原作等の購入に至った経験があるのは、私だけでは無い筈です。

これはアニメーションにだけ当てはまる事ではありません。
MADに使用されていた曲のCDを買った経験のある人も多いでしょう。

残念ながらMADを見て、好きなタイプのアニメではないと判断し視聴しなかったり、
MADで曲を聴いて充分だなと思ってしまったり、そう言う事もあるかと思います。
中には曲だけダウンロードして、音楽プレイヤーに入れてしまう人もいるでしょう。

しかし、それはパソコンがなかった頃からあった事です。
昔もラジオやテレビで曲が流れるとラジカセで録音しました。
アニメ誌を見て、気に入ったアニメだけ視聴し、嫌いなタイプのアニメは全く見ませんでした。

しかし、昔もそんな中でさえ、一定の人数はレコードを買い、
高額なOVA(オリジナルビデオアニメーション)でさえ買う人が居たのです。

実はこの割合は、現在でもあまり変わっていないと言う経済論があります。
昔から娯楽にお金をかけない人は全くかけず、お金をかける人はとことんかける。
この割合は一定であり、パイの増減こそが、売り上げを大きく左右すると言うのです。

もしアニメが完全有料化になってしまったなら、基本料金無料のネットゲーム等に、視聴者が流れるだけです。
お金をかけない人は、とことんかけないのです。
どれだけ面白い作品であっても、彼らは通常DVDを買いません(稀に買う事はありますがw

また、それとは逆に一人で大量にDVDを買う層がいるのも事実です。
その様なマニアを大切にしなければ、それこそコンテンツは死んでしまいます。

このマニアックな層は、その多くが同人誌やMADなどの二次創作を楽しんでいます。
二次創作を禁止する等と言うのは、明らかに自殺行為。
これは一部の、作品を何十年と言うスパンで捉えている権利者以外は、認める所だと思います。
(黒いネズミや、黄色いネズミとかの事ですw

何十年と言う長期スパンで売れる作品は、もうそれ自体が一つのコンテンツであり、
その作品自体が多角的に展開してファンを飽きさせない努力をしています。権利者が二次創作をしているようなものです。
この様なコンテンツは、もうアニメコンテンツとは一線を隔しているのかも知れません。

どちらかと言うと巨大コンテンツの良い点は真似した方が良いでしょう。
巨大コンテンツの多角的展開は、購買者をガッチリと確保する為には、絶対に必要であると解って頂けると思います。

しかし残念な事に、それとは逆に無意味に二次創作を禁止すると言う過ちを犯してしまうコンテンツも実際にはあります。
とあるゲーム会社などは、二次創作を推奨する積りでガイドラインを作ったのに、
わざわざ許可を取るのを良しとしなかった二次創作者から一斉にそっぽを向かれてしまったりもしました。

現在はまだ過渡期であり、方針が定まっていないのが現実かと思います。
その為、未だに二次創作を禁止、削除してしまう権利者も多いです。
権利者も多様化してしまい、例え作品が世に広まって売れまくっても、その恩恵に与れない権利者もいるのです。
自分達の利益に繋がらないから削除と考えるのは、私は非常に軽率だとは思いますが……

アニメMADの削除が行き過ぎてしまった為に、購入を支えていたマニアックな層が、
ボーカロイドアイドルマスター等に流れて行ったのは売り上げを見れば解ります。
ボカロとアイマスは、市場規模が100億円を超えているのです。

ポケモンは約3兆5000億、スターウォーズ2兆1800億、ハリーポッター1兆8000億、
ドラゴンボールガンダムが3000億、エヴァ1500億、トトロ1000億、爆丸600億、ナルト500億、
けいおん!380億、同人誌は全体で700億円等と言われていますが、通常のアニメは10億行けば大成功、
ちなみにアイカツ!は18億円です。

また、それとは逆に最初の視聴で利益を確保しようと言う動きもあります。劇場作品です。
劇場アニメは最近増加傾向にあり、業界の新たな収入源となりつつあります。

千と千尋の神隠し 興行収入 304億円
ワンピースZ 68億5千万
エヴァQ 52.6億
ドラゴンボールZ 神と神 30億円
映画 けいおん! 19億
風の谷のナウシカ 14.8億
涼宮ハルヒの消失 8.5億
魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's 5億
魔法少女まどか☆マギカ 前後編合わせて 10億円

「まどか」は、アメリカでは5都市・5館程度での公開となりましたが、3日間で6万2340ドルを記録、
スクリーンアベレージは1万2468ドルとなり、その週末のランキングで全米2位となったそうです。
「なのは」は台湾で最初の三日がウィークリー新作単一スクリーン興行収入の最高記録を更新しました。
「なのは」は日本でも、劇場でのグッズの売り上げが興行収入を超えると言う新たな興行形態を見せる結果となりました。

ただし、これらの劇場版の成功の殆どは、TV放映の成功があっての物だと言うのも事実です。
また「なのは」が例で申し訳ありませんが、本編のテレビアニメは見た事が無いのに、
MADが面白そうだったので劇場に足を運んだと言う層がかなり居たようです。

この様に私がMADを支持しているのは、ただ好きなだけでなく、
コア層とライト層の両面から業界にとって必要だと思っているからでもあります(異論は認めますw

同人誌も大切だと思っておりますが、これは軌道に乗っていますし、
まあコミケスタッフがいれば、大丈夫でしょうw

また海外から見た場合、同人誌よりもMADと言う形態は、言葉が解らなくても内容が伝わる。洋楽を使えば更に伝わる。
映像も音楽もプロが作っているので最初から下駄を履いている。海外の何処からでも視聴可能。と、非常に有用性が高いと思います。
この件に関しては2008年の麻生副総理(当時総理)と角川グループの、知的財産戦略本部会合にも言及があります。

ちなみに、海外ではファンサブと言う活動が盛んで、アニメに字幕を付けて公開をしています(著作権上の問題はありますが)
現在では公式な吹き替えも多くなって来たので、これらの活動がMADの作成へと移行して来ており、AMV系の動画に関しては日本よりも活発な印象を受けます。

さて、ここで少し問題があります。日本ではMADが禁止されたまま、海外ではMADが放置される可能性を無視出来ないと言う事です。
(ファンジンは日本では検挙されてますが、アメリカ等ではほぼ黙認です)
この場合、日本のアニメコンテンツは、いずれ海外に追い抜かれてしまうのではないでしょうか?

中国では、日本のアニメは放映禁止とし、自国での制作には補助金を出し、本数だけ見ると既に日本を越えています。
勿論、まだまだ日本のライバルとは言えない状況ですが、
アメリカ、ロシア、インド、フランス、韓国、タイなど、日本のライバルになりえる存在は多いです。

日本のゲーム産業が完全に海外に追い抜かれてしまった現状には様々な理由があると思いますが、
ネットへの対応の遅れは、かなり致命的であったと思います。
(個人的には、携帯ゲーム機への移行に頼り過ぎたのも原因だと思いますが)

ネットとどう付き合っていくのか?
日本のアニメの今後を考える上で、MADは非常に重要な役割を果たすと私は思います。


AniPAFE 2013
投稿期間 : 8月31日(土)~9月16日(月)
投票期間 : 9月17日(火)~9月23日(月)
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