i-ha’s light conversation

AMV/MAD、動画編集がメイン。アニメ、マンガ、小説等の感想もたまに呟きます。

勝手に海外のAMV/MADイベントを紹介するブロマガ!

+ 2016.3.17 追記

 今迄、様々な海外のAMV/MADイベントに参加させて頂いてきました。
 動画参加出来ず、視聴だけになっている物も多いのですが、ここで少し、それをまとめてみようかと思います。

 まず、この記事を書くに至るまでに、フィンランドのHotaru Tomoe様、アメリカのKasi Frost様、中国の白詰草様、日本のAMV-JAPANの皆様、サークル:初の皆様、他にも様々な皆様にたいへん御世話になっております事を記し、感謝を述べさせて頂きたいと思います。

 それと記事の前提として、知っている方も多いかと思いますが、海外のAMVを見る上で良く出てくる用語を少しですが解説させて頂きます。



 用語解説


● AMV

 海外で言う”AMV”とは”Anime Music Video”の略であり、日本のアニメを曲と合成したもので、海外のアニメファンがファン活動の一つとして、インターネットが普及する以前から行っていました。
 今でも、”JAPAN-EXPO”や”Anime-Expo"、”Anime Weekend Atlanta”などで上映会やコンテストが行われており、一般市民権を得ています。
 ”Anime”とは”Animetion”と違い、殆どの場合”日本のアニメ”を指しています(他国のアニメやゲーム、マンガ等まで日本のアニメ風味であればAnimeに含まれる事もあります)

 ”AMV”は音楽が重要な要素となっており、台詞を繋いだ”MADニュース”などから始まったと言われる日本の”MAD”と、少しカテゴリーがズレる事があります。
 基本的には”MAD”の方が”AMV”よりも広義の”動画”を指しているのですが、私の記事では海外で”AMV”と呼ばれている物は、日本の”MAD”とほぼ同義として扱わせて頂いております。
 私の記事では”AMV/MAD”と併記している事もありますが、これは「どちらのジャンルに属する人でも気兼ねなく参加して欲しい」と言う意味で使わせて頂いております。御了承下さい。




● MAD

 ”気が狂った” ”馬鹿げている”などを指す英語。
 現代日本では既存の音声・ゲーム・画像・動画・アニメーションなどを個人が編集・合成し、再構成した、MAD動画を指す事が多いのですが、海外では実は一般的ではなく、主にAMVと呼ばれています。
 中国・韓国などでは、MADと呼ぶのが最近では一般的になっていますが、”夢寐(眠って夢を見る)”と呼ばれていた事も。

 以下は日本の小説家
山本弘のコメントを引用します
  1. MAD同人誌などの二次創作は、創作者が想像を働かせて元の作品を別の形にこね上げた、新たな作品であり、いわゆる「盗作」とは異なる。
  2. MAD削除しすぎるとファンの反感を買う。
  3. MAD原作の売り上げに貢献している
  4. つまり、MADのような二次創作はある程度黙認するほうが賢いやり方である。
  5. 同人誌業界から多くの漫画家が生まれてきたように、MAD業界からもいい映像クリエイターが生まれてくると思われる。




● MEP&various

 ”MEP”は、”Multi Editor Project”の略ですが、ほぼ”合作”と同義として。
 ”various”は”様々”なという意味ですが、”複合MAD”と、ほぼ同義として、私の記事では扱わせて頂いております。



● subtitle&watermark

 サブタイトルはアニメの副題を指す事もありますが、字幕を指す事もあります。
 字幕付きでアニメを見る事が多い海外では、多くのイベントで、字幕の入っているMADは禁止されています。
 かなり大きな文字で派手に字幕が書かれている事が多く、AMVとして邪魔であると言う認識の様です。
 殆どの場合、歌詞を自分で書いたりするのを禁止しているのではありませんので、過去の作品などを見て確認して下さい。
 同じ理由で、watermark(局ロゴなど)の入っている映像も禁止されていますが、自分の名前や所属グループ(studio)などを右上に表示したりするのを禁止している物ではありません。
 イベントでは”画質が悪い” ”アスペクト比がおかしい” ”上下の黒幕など、全く使われていない映像部分がある”なども失格となる事がありますので、注意して下さい。




● deadline

 締切の事です。”これを超えたら死ぬ”と大げさに書いてあるわけですが、海外のイベントでは締め切りが延びるのは日常茶飯事。
 どちらかと言うと締め切りを厳しく守って参加者を締め出したら、「あの運営は血も涙もない」と逆に文句を言われるほどですw
 ”MEP”などの合作に参加する時は特に注意して下さい。参加者が遅れるだけではなく、中心人物が遅れたり、下手をすると落としてしまい、結局完成しない事もあります。
 「外人は、おおらかだなあ」くらいの気持ちで、御参加下さい。




● AnimeMusicVideos.org

 登録ユーザ数8百万人、登録ビデオ数15万本以上と言う作品評価を含むデータベースを持つ海外最大のAMVコミュニティです。
 私の記事では”AMV.org”と略している事が多いです。


http://www.animemusicvideos.org/home/home.php
https://www.facebook.com/AnimeMusicVideos.org


● AMV-JAPAN

 
AMV-JAPAN.orgと表記されている事もあります。
 運営は、Zigzag173さん、Johnさん、DigiCatさん、Koro Koroさんの主に4名。
 海外・国内のAMVを紹介したり、海外の作者さんとの交流や、海外のコンテストへの参加支援などが主な活動内容となっています。


http://amv-japan.org/


● MAD晒しの宴&ニコニコ紅白MAD合戦
(こちらのイベントは、現在休止中です)


 2chの、ニコニコMAD製作初心者向けスレから派生した有志で行われているイベントです。MAD晒しの宴は月1回、ニコニコ紅白MAD合戦は毎年末に1回行われています。
 AMV/MADをUPする時には、MAD晒しの宴の期間ではないか一応確認して、該当期間であれば参加を検討して見て下さい。
 また年末には、その年の自分の作品の中で最も気に行っている作品での、紅白への参加を検討して見て下さい。
 動画へのタグ付けの他、”Nico MAD Event Wiki”への書き込みが義務付けられていますので少し面倒ではありますが、その価値はあるかと思います。

Nico MAD Event Wiki
http://www7.atwiki.jp/nicomad_srs_event/
Twitterの運営アカウント
@mad_utage


● YouTube(つべ、ようつべ等の略称を持つ)

 アメリカ・カリフォルニア州で設立された、世界最大の動画共有サービス。
 Googleとも提携しており、世界中の企業が公式動画を置いたり、アメリカ大統領選挙にも大きな影響を持つことで知られます。
 パートナープログラムにより人気ユーザーへの収入配分が行われており、動画投稿だけで生活を行っている人も少なくありません。
 アメリカの音楽チャートでもYouTube出身の歌い手が1位を取ったりしていますが、AMVなどは著作権的にはグレーのままで良く消えます。
 UPした動画が1~3回消されたり音楽のみ停止にされると、アカウント停止~削除になったりと著作権には厳し目。
 削除基準は曖昧で、UPした国によって違う事も。日本は勿論、厳し目です。対策として、複数のアカウントを持つ人も多いです。

https://www.youtube.com/



● bilibili(ビリビリ動画)

 ニコニコ動画が最初の頃YouTubeの動画にコメントを貼り付けていたのと同じ手法の、寄生型動画サイト。
 ニコニコ動画に似ていると言うか、ほぼそのままですが、画質やコメント表示数などニコニコ動画より良い面も多いです。
 中国の会社と言う事は中国共産党経営とほぼ同義なのですが、海外の著作権に配慮する様子はあまりなく、日本のアニメ会社は逆に乗り込んで放映権を買って配信しています。
 ここで権利を買わないと、中国で勝手にUPされた動画が世界中で見放題になってしまう可能性もあるので、ほぼ強制。
 しかも共産党が禁止に指定したアニメは流す事が出来ず、お色気過剰なアニメや、テロによって自分の主張を訴えるアニメ「残響のテロル」などが放映禁止に指定されています。
 中国は日本より人口も多く、政治的な動画が多いYouTube自体が使用禁止に指定されていると言う事もあって、再生数が非常に多いです。
 ランキングに日本のアニメも多数入っているので、中国国内では親日派の集まりとみなされる事も。
 ニコニコ動画と同じで、アカウントを持っていないと見る事がほぼ出来ないので、中国人以外には少し敷居が高いです

追記:全く見れなかったり、見れるのにコメントだけ打てなかったり、政府の意向で仕様がコロコロ変わります。アカウントの取得に中国語の試験があったりする事もあります。

http://www.bilibili.com/



 海外のAMV/MADイベント


■ JAPAN-EXPO

 フランスで行われている世界最大の日本のカルチャーイベントであり、自称「世界一のAMVを決める大会」です。あくまで自称ですw
 ですが、きちんとした審査員がおり、決勝進出作品を選ぶ事になっています。
 選ばれた動画は会場の巨大スクリーンで流され、更に上位3作品や、会場で選ばれる視聴者賞などを受賞すると、記念の像も贈呈されます。
 以前、日本から参加した七薙さんが、3位入賞を果たしていますね。
 日本のアニメを50%以上使用する事が条件となっていますが、残りの50%を実写に充てる人がいたり、スタイリッシュな動画が多いのが特徴でしょうか?
 勿論ネット参加可能で、動画はネットで送るだけ、賞品も郵送してくれます。
 詳細は以前に紹介記事を書かせて頂いたので、下記のリンクで確認して下さい。参加締切は、毎年5月から6月の中旬位となっています。

英語版ルール概要(Japan Expo AMV Contest 2015)
http://www.amv-france.com/en/contest/1

紹介記事
http://ch.nicovideo.jp/AMV/blomaga/ar763413



■ AKROSS CON

 全参加作品が、作品視聴ページとフォーラムで紹介され、作品についての意見をもらえます。
 規制が緩く、R-18アニメなども推奨はされていませんが使用出来る珍しい大会です。
 決勝進出者の大部分は、審査員(コンテスト運営者と過去のAKROSS CONの優勝者から構成)によって決定されますが、投票もあり、視聴者賞を含め様々な賞が贈られます。
 ロシアで行われていますが、様々な国から多くの参加者が集まっており、作品数だけならJAPAN-EXPOを凌ぐ大きなイベントです。
 最近は賞品の出る大会に動画作者が流れがちですが、頑張って頂きたいですね。
 詳細は以前に紹介記事を書かせて頂いたので、下記のリンクで確認して下さい。参加締切は、毎年12月から1月の中旬位となっています。

AKROSS
http://akross.ru/index.cgi?l=e

紹介記事
http://ch.nicovideo.jp/AMV/blomaga/ar922229



■ Big Contest

 ロシアのコンテストで1位~5位には、なんとトロフィーだけでなく賞金が出ます。1位でも1万円程度ですが、1位を狙ってくる人も多く、参加者も増えている様です。
 日本語の公式ルールが作られたので、日本からの参加者も増えると良いですね。
 実績があれば審査員登録を行い、審査にだけ参加する事も出来ます。動画を作っていなくても、たくさんのコメントを残していれば審査員になれるようです。
 参加締切は、毎年3月から4月の中旬位で、今年は4月15日となっていますので、まだ参加出来ます。

日本語ルール
http://amvnews.ru/forum/viewtopic.php?t=4350




■ 春秋合戦

 中国の春秋戦国時代をモチーフとしているイベントですが、7つの国ではなく2つのグループに分かれて争います。
 参加すると、春組と秋組のどちで参加したいか聞かれますが、イメージキャラクターの春ちゃんと秋ちゃんのどちらが好きかと言う意味で、グループ分けにあまり意味はありません。 春ちゃんが巨乳チーム、秋ちゃんが貧乳チームだと思って頂いてもOKw
 各チーム一日一作品を公開し、一対一で投票が行われ勝敗を決められ、最終的に「何勝何敗で春チームが勝ち!」と言う感じになります。
 参加には運営との連絡が必要不可欠で、知人の紹介が必要だと思って頂いた方が良いです。長年動画を作っていると運営側から参加を御願いされる事もあります。
 ビリビリ動画を主な会場としていますが、優酷土豆など中国の他の動画サイトにも積極的にUPして行く方針で、日本人にニコニコ動画への代理UPを依頼される事もあります。軍魔さんや私が頼まれている事が多いでしょうか?

第七回春秋合戦
http://sprau.madplus.org/

第四回 参加作品一覧 mylist/34847572



■ TEKKO’S AMV CONTEST

 ”TEKKO”は、AMVだけでなく音楽やファッションなど、日本のポップカルチャーを総合的に応援しているアメリカの団体です。

 イベントは、
  • Action
  • Comedy
  • Drama
  • Romance / Sentimental
  • Upbeat
 などのカテゴリーを決めて参加するタイプですね。
 今年の締め切りは3月10日だったので、次は多分来年になります。

TEKKO
http://www.teamtekko.us/
ルール

http://www.teamtekko.us/amv-contest/



■ SAKURA-CON

 ワシントンから日本の文化を発信しているサイトで、”KOTOBUKIYA”や”GOOD SMILE COMPANY”がスポンサーに入っており、フィギュアのレビューなどが多い印象です。他に”NHK”などもスポンサーに入ってますね。会員料は70ドルとちょっと高め。
 1912年3月27日に日本からワシントンにが贈られたことを記念して行われている”National Cherry Blossom Festival”に合わせて、今年も開催は3月25日~27日。
 
AMVコンテストだけでなくクイズやダンス、カラオケのコンテストなども行われる様です。AMVコンテストの締切は2月1日だったので、今年の参加はもう無理ですね^^;
 ルールはダウンロード制です。TEKKOと同じ様なカテゴリー分けがあります。

SAKURA-CON
http://sakuracon.org/
ルール
http://sakuracon.org/programming/contests/amv/



■ MTAC AMV Contest

 MTAC(ミドルテネシーアニメコンベンション)。アメリカ、テネシー州ナッシュビルでのイベントです。ナッシュビルと言うのはアメリカンカントリーミュージックの聖地なので、日本で言うと京都でアメリカ推しのイベントを毎年やっている感じでしょうか? 大丈夫か?w
 AMVイベントの他にも、”際どいコスプレ大会” ”ロリータのお茶会”など、怪しいイベント盛りだくさんw
 AMVイベントの方は、こちらもTEKKOの様なカテゴリー分けがあります。
 日本語音声の使用なども少ししか許可されていませんが、これは多分、音MADの様な物が残念ながら禁止されているのでしょう。
 逆に、watermarkの入った映像の使用が認められている様です。
 それと”MTAC EXTREME AMV CONTEST”と言う物が同時に開催されており、そちらではR-18などの一定レベルの過激な描写が許可されています。勿論、アメリカの法律に違反する様な動画だと、逮捕される可能性もありますので注意して下さい。
 今年の締切は3月5日だったのでこちらも終了。1999年設立で16BITと書いてありますので次は来年になりそうです。

MTAC 16BIT
http://mtac.net/
MTAC AMV Contest
http://mtac.net/programming/amv-contest/




■ Tsukino-Con AMV Showcase

 
カナダのビクトリア大学が中心となっているイベントです。先日、募集締め切りがあったばかりなのですが、もう来年の予定も決まっている、とてもやる気のあるイベントですねw
 2017年は2月17~19日の開催ですが、動画の締め切りはもうちょっと前になるのではないでしょうか?

カテゴリー分けは5つ。
  1. General
  2. Action
  3. Dance
  4. Drama
  5. Comedy
 Generalと言うのは、ここでは「一般的」と言う意味で使われています。他のカテゴリーに当てはまらない様な作品は、こちらで御参加下さい

Tsukino-Con 2016 AMV Rules
http://www.tsukinocon.com/amv2016/





 この他にも世界にはたくさんのAMVイベントがありますが、今回はここまでにしたいと思います。
 AMVは、日本では市民権を得ているとは言い難いですが、他国では日本政府やNHKなどが公式に後押ししているイベントもたくさんあるのが実情です。
 今後もAMV/MADが、日本文化の発信に、一役買えれば嬉しいですね!

 そして最後に、日本のイベントを一つ。


【第2回ANIMAAAD祭】
詳細 http://ch.nicovideo.jp/ettirgam2/blomaga/ar973777



 締め切りは5月3日です!
 動画参加は勿論、視聴だけでもきっと歓迎!(勝手なw

 その他の最近のイベントですが、3月18日~31日の間に、”第8回318祭り”と言うドラゴンボールなど鳥山明作品を中心としたイベントがあります。ニコニコ動画に動画や静止画を投稿して”318祭り”と言うタグを付けるだけになっています。
 動画は2月で締め切りましたが、ニコマス昭和メドレー8”と言う、アイドルマスターと昭和をテーマとした合作の公開もあります。今年のテーマは”SF”となっています。”アイマス”で”昭和”で”SF”と、3つも縛りがあるのでなかなか難しいのですが、面白いイベントですね。

■ 第8回318祭り ゆきのふさんのTwitter
@yukinohu318  https://twitter.com/yukinohu318

■ ニコマス昭和メドレー8 紅狸
さんのブロマガ
http://ch.nicovideo.jp/kurenaitanuki/blomaga/ar784212


 日本のイベントも頑張って行く必要があると私は勝手に思っていまして、自分でもイベントを行わせて頂いておりますが、実際は中々難しい物です。
 主催の方々は、皆様とても苦労しているのではないでしょうか?

 私が行わせて頂いた”AniPAFE2015”では参加作品が124作品で、支援動画を含めると140作品となりましたが、実は世界最大と思われる”AKROSS2015”の作品数が122作品なので、作品数だけですがいつの間にか抜いてました。
 参加作品数は一応の目安にはなると思いますが、一つ一つの作品を大切にする方が重要かと思います。
 それと、私はイベントの為にイベントを行っている訳ではありません。AMVやMADを作ったり、視聴して楽しんでいる人達の為、そして素材としている曲やアニメなどの為に行っている積りです。
 その為、自分がやめた後でもこの状況が続かなければ意味がないと考えています。

 その為に私が出来る事は、自分のイベントを楽しい物にする。そして自分以外のイベントも、海外も含め出来る限り楽しい物にする事。
 海外では日本以上にAMV/MADが盛り上がっています。その海外に負けない様に、そして海外のファンの皆様の為にも、日本のアニメ文化、AMV/MAD文化を維持し、発展させて行く事に、少しでも貢献出来ればと思います。

 長文となりましたが、皆様が楽しんでイベントに参加する助けとなれば幸いです。ありがとうございました!